利用事例 – トリニティ株式会社

手動では更新不可能な、3,000ページ以上あるブログ記事の関連記事表示を自動化

トリニティ株式会社のWebサイトで公開しているブログ「トリログ」は、2006年に開始し、現在に至るまで、14年間更新を続けているコンテンツです。

この「トリログ」は、開始当初は不定期更新でしたが、ここ数年は365日更新。新しい記事を毎日公開しています。2021年1月現在、その記事数は3,000を超えています。

継続していることで、少しずつページビューも増えていきました。2010年は約230万だったページビューが2020年は約1850万となり、10年前から比較すると、現在では8倍近いページビューを獲得しています。

このように、私達は良質なコンテンツを量産、更新し続けることで、結果的にページビューも増加しました。

オウンドメディアに限らず、Webサイトにとって記事やコンテンツは資産となります。そして、その蓄積されたコンテンツをいかに活用していくかが重要となります。

せっかく当社のことを知らない人が多く訪れてくれるのですから、ブログを読んで終わりではなく、製品のことなども知ってもらうと同時にユーザーにとっても有用な情報を提供し、サイト価値を高めていきたいと考えました。

そこで、Webサイト内の回遊性をアップする「関連記事表示」を追加したいと考えましたが、膨大な数の記事すべてに、1つ1つ関連記事を手動で設定していくことは至難の業です。

また、たとえすべての記事に設定したとしても、新たな記事が生まれれば、そこには新たな関連が発生します。これを過去の記事すべてにわたり、常に更新し続けていくことは不可能です。

既存のプラグインでは望む結果が得られず

そこで、関連記事が表示されるというプラグインをいくつか試してみましたが、日本語で書かれている記事の内容を解析・判断し、読んでいる人に違和感のない関連記事提案をしてくれるものはありませんでした。

不満を感じたのは、主に次の4点です。

  1. 同じテーマで書かれている他の記事が「関連記事」として表示されない。
  2. タグやカテゴリーとして、記事1つ1つに同一の設定をしないと「関連記事」として認識・表示されない(=記事の内容では判断してくれない)。
  3. 日本語では、同じ単語でもひらがな、カタカナ、アルファベットで表記する場合があるが、それらを同一の内容として判断してくれないため、「関連記事」として表示されない。
  4. 過去記事にタグを設定したい場合、「編集画面を開き、任意のタグをつけて保存する」という工程を記事の数だけ繰り返す必要があり、該当記事が大量あると時間と手間がかかる。

プラグインは海外のものであったため、もしかしたら英文の文章であれば違う(精度の高い関連記事が表示される)のかもしれません。

FUTURAを開発、導入

そんな理由があってFUTURAをトリニティサイトに導入しました。これにより前述した不満は解消され、以下の成果が得られました。

  • 文脈で解析するため、読んでいる人に有益かつ納得できる関連記事が表示される。
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  • 文脈で解析するため、タグやカテゴリーなどで「一致させる」手間がない。
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  • 新しい記事が公開と同時に解析される。また、それと共に過去の記事との関連性も再解析される=膨大な数の記事でも、自動で最新の関連記事に更新される。
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  • タグごとに設定をお薦めする記事が一覧で表示され、編集画面を開かずともクリック1つで適用が完了する。
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関連記事提案では文脈解析にすべてを任せる設定のほか、タグやカテゴリー、記事作成者などに解析の重要度を割り振ることもできます。この重要度を調整することで、関連記事提案の精度をさらに高めることが可能です。

また、「この記事には必ずこれを関連表示させたい」という指定、逆に、「この記事にこれはゼッタイ関連表示させたくない」という指定ができるため、記事単位での細かな調整も可能です。

そして、本記事を読み終わっても関連記事表示が「読み込み中…」と表示されてしまうような外部サービスも目にしますが、FUTURAは、表示速度も非常に速く作られています。瞬時に表示されるため、機能を読み込みを感じさせるようなタイムラグは発生しません。

管理者や担当者の負担を大幅に軽減する「タグ提案」機能

これまでであれば、「旅行に関する記事が増えてきたな」と思い「旅行」タグを設定したくても、旅行に関する記事に必ずしも「旅行」という単語が含まれているわけではないため、サイト内検索で該当の記事を抽出することができません。

しかし、3,000ページもある記事を見てまわり、人力で探しだしていくことも困難です。そのため、こういった場合に「旅行」のタグを適用することはできませんでした。

また、ワード検索で探せる場合でも、「“中国”に関する記事が増えてきたな」と思った時は、サイト内検索で「中国」に関する記事を探してから該当の記事の内容を確認し、編集画面から「中国」のタグをつけて保存する、というのを記事の数だけ繰り返していました。

記事ページにアクセスし、WordPressからタグをつけて保存するのにおそらく30秒程度はかかるのではと思います。それを記事の数だけ繰り返さなくてはいけないため、大量に記事がある場合は面倒な処理でした。

FUTURAのタグ提案は、タグごとに設定をお薦めする記事が一覧で表示され、編集画面を開かずともクリック1つで適用が完了するため、管理者や担当者の負担を大幅に軽減する機能だと思います。

文脈解析技術を利用して検索機能も追加

また、FUTURAの文脈解析技術を利用し、検索機能も追加開発しました。文章の内容で検索できるため、表記揺れがあっても検索が可能となり、探したい記事を適切に見つけることができます。

単語での検索結果だと、検索したい内容とは関連の低い記事が多く含まれてしまう。

FUTURAでの検索結果。関連性の高い記事だけが表示されている。

関連性の高い記事だけが結果表示されるため目当ての記事が見つけやすくなり、「大量の結果から目当てのものを探す」手間が減るので訪問者の離脱を防ぐことができます。

また、デザインカスタマイズができず、さらにオウンドメディアとしてはふさわしくない広告も表示されてしまうGoogleのサイト内検索サービスと違い、導入するWebサイトのデザインに合わせたカスタマイズが可能なのもコーポレートサイトにとっては良い点だと思います。

記事が多いWebサイトにこそFUTURAを

FUTURAはWebサイトの規模を問わず導入が可能なプラグインですが、1人で管理していたり、記事数が少ない小規模なWebサイトであれば、一から十まで手動で管理するというのもできないことではないと思います。

しかし、記事が多くなると関連記事提案含め、手動で常に最新の情報を反映していくのは難しいと思います。

FUTURAは、関連記事表示以外にもタグ提案機能など、管理者や運用担当者などにとって非常に便利になる機能があるため、記事の更新や管理に悩みがある方は試す価値はあると思います。